いま実現するお役立ち道経営

第4話:お役立ちの文化とは何でしょうか?②/いま、実現するお役立ち道経営

​​​​​​​前回のブログでお伝えした通り、お役立ち道の経営とは「お役立ち道の文化をつくり、社会をより良くする価値を共創し続ける経営」です。


 お役立ち道の文化とは、全社が一丸となって、お客様、その先のお客様、そしてより良い社会に向けて役に立つことを追求し、極め続ける文化です。お役立ち道の文化が醸成されている企業では、社員一人ひとりが常に「自社が解決できる社会課題は何か?」と問いながら仕事をしています。そのため、社会の動きに敏感になり、ニーズの変化をキャッチして新たな価値提供につなげることができるのです。

 

 では、お役立ち道の文化をつくり上げているものは何でしょうか?

 ジェックでは「挑戦の価値観」「協調の価値観」「お役立ちの価値観」という3つの価値観がお役立ち道の文化醸成に影響を与えていると考えています。ジェックと慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科と共同で開発した組織文化診断(株式会社ジェックのサイトに移ります)というサーベイでもこの3つの価値観を用いています。


お役立ちの価値観:社会や市場の役に立とうとする価値観

挑戦の価値観:あらゆる可能性にチャレンジしようとする価値観

協調の価値観:共創し協働しようとする価値観


 この3つの価値観の関係性について、いくつか例を挙げてみましょう。


【お役立ちの価値観に偏った組織】

 従業員一人ひとりが「市場の役に立ちたい」というお役立ちの価値観を持っていたとしても、挑戦の価値観が低ければ新たな動きを起こすことはありません。また、協調の価値観が低ければ組織を挙げて新たな価値を生み出すことが困難になります。つまり、様々な理想論を話す人はいるものの、ほとんど変化を生み出すことができない組織になってしまいます。


【挑戦の価値観に偏った組織】

 従業員の一人ひとりの挑戦の価値観が強ければ、新たな動きを起こし、何とか成果につなげようとします。しかし、「お役立ちの価値観」が弱いため、行動の原動力は「高い給与が欲しい」「出世したい」といった利己的なものが中心となります。そうなると、成果を上げるために手段を選ばないという状況になりがちであり、コンプライアンス違反などが起こる可能性もあります。また、協調の価値観が弱いため、ともすると足の引っ張り合いが起こることも予測されます。


【協調の価値観に偏った組織】

 従業員一人ひとりが協調の価値観を持っていたとしても、挑戦の価値観が低ければ「仲良く、今の状況を維持する」という選択をしがちです。つまり、組織を変化させなくてはいけないと分かってはいても、暗黙の了解で「余計な動きを起こさない」ということになるのです。また、お役立ちの価値観が低いため、市場に目が向かず、社内の政治だけに興味を示すような集団になってしまいます。


 分かりやすく、少々極端な例を出しましたが、全社を挙げて世の中の役に立つための新たな価値を生み出す「お役立ち道の文化」を醸成するためには、「お役立ち」「挑戦」「協調」の3つの価値観(株式会社ジェックのサイトに移ります)を同時に高めることが必須なのです。


 次回からは、それぞれの価値観を高めるためのポイントをお伝えしていきます。




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 「世の中の役に立ちたい」「お客様の役に立ちたい」と本気で考え、仕事のレベルを高めていくことを「お役立ち道の仕事ぶり」と呼んでいます。

 そして、社員同士が手を取り合って様々なことにチャレンジし、よりお役に立てる仕事を創り出していく経営を「お役立ち道経営」と呼んでいます。


 このブログでは、社員一人ひとりがお役立ち道の仕事を極め、自分らしくやりがいを持って仕事をする企業をつくるためにはどうすればよいかを考えていきます。

 

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ききみみねっと


                            (つづく)

松井 達則
松井 達則
【経歴】 大手金融会社を経て、2001年ジェック入社、コンサルタントとなる 【お役立ちコンセプト】 「自燃型の人財づくり」 自分で考え、自分で動く自律型の人財はもはや当たり前。 自分の心に火をつけ、常に意欲的に行動することで、周りにも火をつける「自燃型」の人財づくりのお手伝いをいたします。