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第15話:「お金儲け」とお役立ちは相反するか?/いまの仕事でもっと役に立てる ~自分流のお役立ち道~

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 このシリーズでは、「仕事で役に立つ」ということをテーマに取り上げました。自分らしい、自分だからこそできる「お役立ち」をすれば、やりがいにつながり、パフォーマンスも高まります。
 


 しかし、「お金儲けのためのお役立ちは偽りではないか?」「本当にお役に立つなら、お金をもらってはいけないのではないか?」と言う人がいます。お金儲けというのは、お役立ちに反しているのでしょうか・・。

 例えば、あなたがエアコンメーカーの社員だったとします。あるお客様企業にエアコンを修理に行きました。修理は完了しましたが、エアコンは非常に古い型のもので、あまり涼しい風が出ません。しかしまだ動いてはいます。その企業の人達は、ここ最近の猛暑の中、汗を流してフーフー言いながら仕事をしています。


 その際に、「まだ使えるし、新しいエアコンへの買い替えを提案するのはやめておこう。お金が掛かるのは申し訳ないから・・」というのはお役立ちでしょうか?


 これは、お役立ちではありません。お金を払っていただき、新しいエアコンに買い替えていただいて、快適な環境で仕事をしていただくことの方がお役立ちではないでしょうか。お客様企業から「え?お金かかるんだよね・・」と言われても、「はい、お金はいただきます。しかし、お客様の仕事環境を快適にするためには、ぜひお買い替えいただきたいのです」と言うべきです。

 真にお役立ちをしたいのであれば、お金をいただくことをためらってはいけないのです。
 

 また、適正にお金をいただくことにより、私たちは利益を出すことができます。利益が出れば、設備投資をすることができ、新たな製品を開発することにもつながります。また、人を採用してサービスを充実させることもできます。つまり、これまで以上に大きなお役立ちができる要になります。

 一方で、適正にお金をいただかず、利益を上げることができなければ、製品の質は上がりません。また、人も採用することができずサービスレベルも向上しません。企業は徐々に衰退し、これまでのお役立ちレベルさえ保てなくなってしまいます。
 
 もちろん、私たちはボランティアでも世の中の役に立つことはできます。そしてボランティアは素晴らしいことです。しかし、仕事でのお役立ちはお金をいただけます。お金をいただき、利益を出すことがもっともっと大きなお役立ちにつながります。なので、遠慮することなく堂々とお金をいただいてお役立ちをすることが必要なのです。


 
 「お金をもらうのは申し訳ない・・」と言っている人は、本気でお客様に大きなお役立ちを提供したいという気持ちが小さいと言わざるを得ません。
 

 このシリーズは今回で終了です。また次のシリーズでお会いしましょう。


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いま実現するお役立ち道経営




 「世の中の役に立ちたい」「お客様の役に立ちたい」と本気で考え、仕事のレベルを高めていくことを「お役立ち道の仕事ぶり」と呼んでいます。

 そして、社員同士が手を取り合って様々なことにチャレンジし、よりお役に立てる仕事を創り出していく経営を「お役立ち道経営」と呼んでいます。

 

 このブログでは、社員一人ひとりがお役立ち道の仕事を極め、自分らしくやりがいを持って仕事をする企業をつくるためにはどうすればよいかを考えていきます。


​​​​​​​                             (つづく)



松井 達則
松井 達則
【経歴】 大手金融会社を経て、2001年ジェック入社、コンサルタントとなる 【お役立ちコンセプト】 「自燃型の人財づくり」 自分で考え、自分で動く自律型の人財はもはや当たり前。 自分の心に火をつけ、常に意欲的に行動することで、周りにも火をつける「自燃型」の人財づくりのお手伝いをいたします。