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経営者の役割/より良い社会を共創するお役立ち道経営2/4

お役立ち道経営における経営者の役割とは何でしょうか?

経営者にしかできない三つの決定(ドラッカー)から考えました。

 

 

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※動画の内容と、下のテキストの内容は同じです。

 


人を活かすマネジメント

お役立ち道経営の実現は、組織のメンバーの一人ひとりがお役立ちイメージで描いた、お役立ちの意識の醸成と、「社会をより良くしたい」という「お役立ちビジョン」の実現を支援することから始まります。一人ひとりが仕事を謳歌し、仲間と新たなお役立ちを共創し、組織としての「より良い社会の実現」につなげていくことが重要です。

さらに、自組織だけにとどまらず、お役立ち道がステークホルダーとの共創によってさらに拡大し、最終的には、社会に属する一人ひとりが、その人らしい役立ち方で貢献し合い、仕事や人生を謳歌しているというのが、お役立ち道経営の目指す姿です。

 

これらを実現するためのマネジメントについて、ご紹介します。 

「お役立ち道の文化」をつくる経営機能

自組織の文化を「お役立ち道の文化」として醸成するには、「挑戦」「協調」「お役立ち」の三つの価値観とそれに基づく行動様式をより良く革新しなければなりません。

組織を人体に置き換えて表現するならば、「組織文化の醸成」は「体質改善」に当たります。冷え性、太りやすい、高血圧など、「体質」に起因する症状に対する根本的解決策として、「不規則な生活習慣を改善する事、つまり食事・休息・適度な運動をきちんとしなさい」と医師からは必ず言われます。しかし、日常生活においてそれができず、つい「ダイエット器具購入」など、特定部分だけにフォーカスした要素還元的な「打ちやすい手」に頼ってしまいます。ところが、根本の体質が変わっていないのですぐリバウンドしてしまいます。

これと同じように組織文化(体質)を変えるための根本的な打ち手(生活習慣の改善)は、経営機能をきちんと発揮することです。では、どのような経営機能を発揮するべきかを経営層とミドルマネジメント層に分けて考えていきたいと思います。

経営者の役割

当然のことながら、経営者は経営者にしかできないことを確実に遂行することが必要です。では経営者でなければできないことは何でしょうか?

P.ドラッカーは、以下のように述べています。

トップマネジメントは何を専管とするかを考えなければならない。それは、全体、一体性、未来に関わる意思決定である。全体を見ることができ、全体に責任をもつ者だけが行うことのできる意思決定である。 --- (略) --- 

第一に、参入すべき技術、市場、製品、事業の決定、廃棄すべき事業の決定、組織としての価値観、信条、原則の決定である。

第二に、資金配分の決定である。 --- (略) --- 

第三に、人材配置の決定である。 --- (略) --- 

(『マネジメント - 課題・責任・実践』)

P.F.ドラッカー(2005)『ドラッカー365の金言』, ジョゼフ・A・マチャレロ編, 上田惇生訳, ダイヤモンド社, p.357

第一の「事業の決定・組織としての価値観の決定」という観点でお役立ち道の文化を創るために重要なことは、「自社の利益・業績・成長を第一とする価値観」ではなく、「社会・市場・顧客などステークホルダーに対するお役立ちを第一とする価値観」を明確に打ち出し、当たり前のものとして根付くまで旗を振り続けることです。

この価値観をすべての起点として事業や方針戦略を策定し、お役立ちを実現するためのリソース(ヒト・モノ・カネ・情報)の最適配分を決定することこそ、経営者が意志決定すべきことです。これが、第二の「資金配分の決定」、第三の「人材配置の決定」につながります。

これらと連動した人事戦略と人事制度の構築も経営者の役割です。「人は評価される方向に動くもの」です。「経済的価値や経営効率を示す指標」の達成度だけで評価をしている組織も多くみられますが、この観点の目標だけでは「経済的価値や効率を上げるために仕事をする組織」をつくることが目的になってしまい、お役立ち道の文化づくりを目的とした目標と評価にはなりません。

ゆえに、

  • メンバーと共に、誰に対してどのようなお役立ちを実現するのかを明確にする
  • それを追求するための指標としての「成長目標」と「業績上の目標」を設定する
  • お役立ち第一の具体的な行動を指針として示し、お役立ちからぶれない行動を継続する
  • それらを評価し次年度の更なるお役立ちにつなげるために正しくフィードバックする

以上を、評価 / 等級 / 目標管理 / 教育 などの人事制度に落とし込むことが必須です。

 

 

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