北条政子

北条政子の役立ち方とは⁉/歴史を動かすお役立ちイメージ01


自分らしい役立ち方を表した「お役立ちイメージ」。

歴史上の人物は、どんな「お役立ちイメージ」を持って、社会をより良くしようとしたのか?

あれこれ推察してみました。


第一話は、北条政子。最愛の夫、源頼朝の遺志を継ごうと、鎌倉幕府の発展に奔走しました。

北条政子が目指した「より良い社会」とは何か?を探ります。


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目次[非表示]

  1. 1. 情に厚い政子
  2. 2.頼朝の想いを引き継ぐ
  3. 3.頼朝の想いとは
  4. 4.政子と頼朝の夫婦愛
  5. 5.政子のお役立ちイメージ
  6. 6.元記事のご紹介


 情に厚い政子

あずき:こんにちは。新しく始まったシリーズ、「歴史を動かすお役立ちイメージ」

歴史上の人物の「お役立ちイメージ」、つまり、「その人らしい、社会をより良くする役立ち方」は、一体どんなものだったのかを、あれこれ勝手に考えてみようという企画です。

第1話は、北条政子さんです。

このコンテンツの元になるコラム「歴史を動かす行動理論」を執筆した、太郎さんと進めてまいります。よろしくお願いします。

たろう:よろしくお願いします。


当コンテンツの内容(結論)は私たちが想像力をはたらかせて推察したもので歴史的見解として誤りがある場合が大いにあります。ご理解のほどよろしくお願いします。


あずき:大河ドラマでも話題の北条政子さんは、鎌倉幕府を開いた源頼朝の妻ですね。頼朝亡き後、鎌倉幕府の重要な人物になっていきます。日本三大悪女の一人とも言われる方ですね。

たろう:それについてはいろいろな見解がありますが、良くも悪くも情に厚いところがある人だったようですね。


頼朝の想いを引き継ぐ

あずき:頼朝が亡くなった後、鳥羽上皇が幕府を倒そうとした「承久の乱」の時の政子の言葉は、かっこよかったですね。

承久の乱(1221年)

後鳥羽上皇が、政治の実権を天皇へ取り戻そうと鎌倉幕府に対して挙兵したが、幕府軍が勝利をした事件


あなた方は頼朝殿の御恩を忘れたか。

幕府成立がなければあなた方は領土も身分も認めてもらえなかった。

…中略…

御恩と奉公を忘れたものは出てゆくがよい。


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たろう:この言葉がきっかけで、幕府軍の結束が高まり勝利したとも言われています。


あずき:

私の使命は、頼朝殿が残した幕府の発展である(観)。
だから、あらゆる手段を尽くして幕府の発展を図らなければ(因)、生きる意味はない(果)。
頼朝殿の想いを実現せよ(心得モデル)。


『歴史を動かす行動理論 下巻』「北条政子」(Amazon Kindle)

これが、太郎さんが推察した、政子の「行動理論」、つまり行動を選択する際のその人なりの判断基準ですよね。

たろう:はい。「頼朝だったらどうするのか、喜んでくれるのか」というのが、重大な局面での政子の判断基準だったと思います。

あずき:これを「お役立ちイメージ」として考えるとどうなんでしょうか。

たろう:幕府の発展の先に何を目指していたか、どんな世の中を実現したかったか、ということですよね。

あずき:関東武士、いわゆる坂東武者の地位の確保なのか、関東八州の土台をつくりたいのか、もっと広い視野があったのか。どうもその辺りが見えてこないですよね。

北条一族の繁栄くらいなのかな。でもそれは、頼朝の想いではないですね。


頼朝の想いとは

たろう:そもそも頼朝の想いって何なんだ、というところから紐解いていきましょうか。

あずき:はい。

たろう:と言っても、頼朝が幕府を開いたときに「将軍になりたい」と思っていたかどうかも、怪しいんですよ。最初のきっかけは、源氏一族を滅ぼした平家を滅ぼしたい。そこだったと思うんですよね。

あずき:その頼朝の想いと、坂東武者の京都の言いなりになりたくない、という思惑が重なったというか。

たろう:そう。悪い言い方をすると、ある意味「利害が一致した」だけとも言えますよね。



あずき:だから「承久の乱」のときも坂東武者は揺れ動いたんですね。何が何でも幕府を守ろうと思えないと。

たろう:そう。当時のパラダイムが、「王道」じゃなくて「覇道」なんですよね。
国に平和と秩序を、とか、民を幸せに、というより、武力や権力で支配したいという考え方ですよね。だから力がありそうな方向に流れちゃうんじゃないかと。

あずき:そういった時代背景もあるんですね。

たろう:そう考えると、頼朝に「社会をより良くする」とか、「社会課題の解決につながる」といった、「想い」が見えないとしても無理はないなと思います。

あずき:そうですよね。


政子と頼朝の夫婦愛

たろう:ただね、いろいろなエピソードを調べると、政子と頼朝のお互いを想う気持ちは、本物だったと思うんですよね。そこには、利害関係や損得勘定は無いんじゃないかと。


あずき:なるほど。けど、それを疑うエピソードもありますけどね。

たろう:まあそこはね。時代が時代ですから。

あずき:お互いを想う気持ちが本物だからこそ、頼朝が亡くなった後「頼朝の想いを実現する」というのが、政子としての揺るぎない信念となったのでしょうね。ということは、政子の「お役立ちイメージ」に戻りますが…。


政子のお役立ちイメージ

たろう:こう言っては元も子も無いのですが、今の時代の概念で言うと「無い」といっても良いのではないでしょうか?ただ「頼朝へのお役立ち」、あるいは「身近な人たちへの目の前のお役立ち」はもちろんありました。

あずき:社会をより良くしたいという「お役立ちイメージ」は無い、ということですよね。目の前の人に親身に接していたらここまで来ちゃった、というような。

たろう:はい、そうでしょうね。シリーズ初回の結論が、まさかの「お役立ちイメージ」は無い、ということになってしまって恐縮です。北条政子さんが好きな人にとってはなんて失礼な結論だ、となるかもしれません。すみません。

あずき:いえいえ、いろいろと話し合って、私もこの結論に納得です。でも政子さんの人間味が感じられて、とても有意義でした。今日は、ありがとうございました。

たろう:ありがとうございました。 


元記事のご紹介

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