いま実現するお役立ち道経営

第5話:「お役立ちの価値観」を育てる/いま、実現するお役立ち道経営

​​​​​​​お役立ち道の文化をつくるためには、「挑戦の価値観」「協調の価値観」「お役立ちの価値観」を高めることが必要です。

まずは、3つの価値観の中でも最も重要な「お役立ちの価値観」を高めるヒントについてお話します。

3つの価値観の詳細は前回の記事をご参照ください。


 お役立ちの価値観:社会や市場の役に立とうとする価値観


 お役立ちの価値観が強い組織は、従業員一人ひとりが常に社会・市場顧客に目を向けて、「自社の商品・サービスを活用してもっと役に立てないか?」と考えています。そのため、社会や市場の変化に敏感であり、先駆けて新しい価値を生み出すことが可能となります。


 また、他者の役に立ちたいという想いを、プロソーシャル・モチベーション(PSM)と言いますが、PSMが高い人はパフォーマンスや生産性が高いという研究結果が出ています。


 そして何より、「他者の役に立つことで、喜んでもらう」ということが自身の喜びになり、仕事に対してやりがいを持つことができます。慶応義塾大学の前野教授も、他者への貢献がウェルビーイングを高めると主張されています。


 では、どうすればお役立ちの価値観が高まるのでしょうか。

3点お話したいと思います。


①  自社の企業理念を徹底的に理解する。

企業理念は、「なぜ、この会社が存在するのか」ということを示したものです。多くの企業は、企業理念に「どのように社会の役に立ちたいか」が描かれています。なぜそのような企業理念なのか、そして、今後自社はどのようなお役立ちを目指しているのかが理解できれば、お役立ちの価値観が醸成されやすくなります。直接経営層から話を聞く場があることが理想です。


②  各部門・各役割の使命を再定義する。

 企業理念及びこれからの時代の変化に合わせて、各部門・各役割の使命を再定義することも大切です。例えば、アフターサービス部門について「機械を修理・点検する部門」とするか、「お客様の業務効率を高める部門」とするかでは、従業員の動きは全く変わります。また、そのお客様が抱える背景や、社会課題となっている企業の人材不足や採用難まで目が向くと使命感に火が付きます。「自分達の仕事は社会課題の解決につながっている」と感じながら仕事をし続けることが、お役立ちの価値観を大きく高めるのです。


③  自分ならではの「お役立ち」を考える。

 会社の方向性(企業理念やビジョン)、各部門・各役割の使命、そして自分の強みややりたいことをつなぎ合わせて、自分ならではのお役立ちの姿をイメージできると、仕事への取組み姿勢が変化します。このような自分ならではのお役立ちの姿のことを、ジェックでは「お役立ちイメージ」と呼んでいます。お役立ちイメージをベースに自身の個人ビジョンを考えたり、今後の取り組みを考えることで、エンゲージメントが高まります。


次回は、挑戦の価値観についてお話します。



 「世の中の役に立ちたい」「お客様の役に立ちたい」と本気で考え、仕事のレベルを高めていくことを「お役立ち道の仕事ぶり」と呼んでいます。

 そして、社員同士が手を取り合って様々なことにチャレンジし、よりお役に立てる仕事を創り出していく経営を「お役立ち道経営」と呼んでいます。


 このブログでは、社員一人ひとりがお役立ち道の仕事を極め、自分らしくやりがいを持って仕事をする企業をつくるためにはどうすればよいかを考えていきます。


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ききみみねっと

                        

                             (つづく)

松井 達則
松井 達則
【経歴】 大手金融会社を経て、2001年ジェック入社、コンサルタントとなる 【お役立ちコンセプト】 「自燃型の人財づくり」 自分で考え、自分で動く自律型の人財はもはや当たり前。 自分の心に火をつけ、常に意欲的に行動することで、周りにも火をつける「自燃型」の人財づくりのお手伝いをいたします。