持ちたい行動理論の見つけ方/お役立ち道実践ガイド【第6話】
お役立ち道を実践するうえで、私たち自身の成長に欠かせないのがダブル・ループ学習です。
前回は、その中でも重要な「行動を支配する価値観」つまり「行動理論」を三つの階層で
可視化する方法をご紹介しました。
今回は、行動理論を可視化するとどういったメリットがあるのか。
また、行動理論を変えていきたいときに、どのように持ちたい行動理論を
見つけるのかをご紹介します。
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目次[非表示]
行動理論を可視化するメリット
前回は「相手に企画を提案する場面」を例に、提案がうまくいった時とうまくいかなかった
ときの行動理論を整理しました。それを図にしたものがこちらです。
このように行動理論を可視化することで、うまくいった場合は、自分の強みとなる行動と
して、こういう行動理論が働いているんだな。と認識することができます。
すると、次に同じようなシチュエーションに遭遇した場合に、その行動を再現することが
できるようになります。
また、つまずいた場合も、自分の行動理論を可視化してみることで、つまずいてしまった
原因となる行動理論が見つかります。
その時に、なぜ、この行動理論が形成されたのか。ということを過去の体験を振り返って
一緒に考えてみることもおすすめです。
ここで気をつけたいのが、つまずきを生む行動理論を持っているからといって、
「私はダメだ」と否定する必要はありません。つまずいてしまった行動理論も、あなたの
大切な価値観の一つです。事実を客観的に受け止めましょう。
このように、自分の行動理論を認識するようになると、自分は、こういう時にこのような
行動理論が働いてつまずく傾向がある。とわかるようになります。
だから、ちょっと気を付けて、違う行動を取ってみる。
あるいは、働きかける相手に対する見方を変えてみる。など、つまずきを避ける方向で
いろいろと試行錯誤をするようになるでしょう。
また、あえて、これから自分として持ちたい新たな行動理論を設定し、それを意識しながら
行動をすることで、新しい行動様式を身につけることもできます。
新しい行動理論を身につけるためには
新たな行動理論を考えるには、いろいろな方法があります。
ここでは、代表的なものを3つご紹介します。
① 行動理論の「因果理論」の原因と結果を入れ替えてみる。
例えば「忙しいから、新しいお役立ちの行動は取れないだろう」という因果理論を持っていた
とします。それを「新しいお役立ちの行動を取らないから、いつまでも忙しいのだろう」と、
原因と結果を入れ替えてみると「できない」と思っていた原因がわかり、新しいお役立ちの
行動を取ってみようというモチベーションに変わるかもしれませんね。
② あの人のようにやってみたいと思う人の行動を観察したり、話を聞いたりして、
行動理論を推察する
もし、あなたの身近にお手本にしたい人がいるのであれば、その人の行動を観察したり、なぜ
そういう行動を取るのか。と、その人に聞いてみたりして、行動理論を推察してみましょう。
③ 書籍などを参考にし、三回層で整理をする
何かヒントをつかみたい時に、ノウハウ本や心得集など書籍やインターネットの情報を参考に
される方も多いと思います。
そういった書籍などの中にあるアドバイスに対して、なぜ、そういう行動を取ると良いのか。
なぜそう考えると良いのか。これを、行動理論で整理をしてみると良いでしょう。
まとめ
今回ご紹介したように、行動理論を可視化することで、自分の強みや改善点を見つけることが
できます。
また、それによって自分の行動が変わることで、うまくいった場面を再現できたり、つまずき
がちだった状況を変えたりすることもできます。
そして、行動理論は変化させていくだけではなく、新たに身に着けることもできます。
あなたが「いいな」と思った誰かの行動やアドバイスなどにも、その中に行動理論が
あります。ぜひ、あなたが身に着けたいともう行動理論を探してみてくださいね。
次回は、行動理論の強化と修正について、シングルループ学習とダブル・ループ学習の
両面から整理をしていきます。
お役立ちイメージ作成ガイドも、ぜひご覧ください。