「お役立ち道」を実践するための5つの行動

「お役立ち道」を実践するための5つの行動


「お役立ち道」。自分もできるかな?と思ったら、迷わず行動に移しましょう。

「すぐに役立とう」と結果を急がず、まず、自分らしさとは何かを知り、自分ができること、やりたいこと、役立ちたいことを考えていきましょう。

そして、一歩一歩行動し続けましょう。

そのための5つの行動をご紹介します。


目次[非表示]

  1. 1.自分ならではのお役立ちやお役立ち道を見つける
  2. 2.「お役立ちイメージ」をつくる手順
  3. 3.1.小さな業務でも次工程を意識して知恵を出す
  4. 4.2.人はその人にしかできない「何か」を持っている、と信じる
  5. 5.3.コォ・イノベーターを目指す
  6. 6.4.価値共創のパートナーを実践する
  7. 7.5.あなたのお役立ちイメージと、組織のお役立ちイメージ(使命)の一致点を見出す
  8. 8.まとめ



自分ならではのお役立ちやお役立ち道を見つける


お役立ち道に興味を持ったけど、自分のお役立ちとかお役立ち道ってどんなものだろう?と考えるとなんだかはっきりしないな・・・


そうですね。何気なくお役立ちをやっていたり、そうかと思えば、ある場面では自分の中にあるお役立ちの意識が薄れて違うことをやってしまったり。


だから、明文化、言語化が必要なのです。お役立ちを明文化したものを「お役立ちイメージ」と呼んでいます。

「お役立ちイメージ」というのは、自分らしい“役立ち方”をあらわしたものなのです。もちろん、相手に役立つことで自分もうれしく感じるのが前提です。


自分の中にあるお役立ちを、文字(文章)にして「お役立ちイメージ」として明らかにすることで、自覚しやすくなり、このお役立ちイメージに基づいて物事を判断しやすくなったりします。



「お役立ちイメージ」をつくる手順


この「お役立ちイメージ」をつくる手順をご紹介します。


1)お役立ちの源泉を見つける

過去の自分を振り返って、何に夢中になってきたかを沢山洗い出し、夢中になった理由の共通項を探ります。さらに、「その時どんな役割を果たしていたか」「自分の活かされた強みは何か」と深掘りしていくと、このようなシチュエーションに身を置くと自分は知恵や力が発揮できるのではないか、と気づきます。

2)お役立ち道の探求の方向性(お役立ち使命)をまとめる

自分は仕事を通じて、今所属している組織を通じて、どんな風にお役に立ちたいのか、の方向性をまとめます。

3)お役立ち道ビジョンを決め具体化する

お役立ち道ビジョンとは、お役立ち道を探求して、どんな状態を創りたいのかという未来像や理想像のことです。


これらのプロセスは、一人でやるのはちょっと難しいこともあります。最初のプロセスでも共通項を自分でなかなか見つけられない人は、友達や家族となどで話してみると案外会話の中で気づいたりするものです。


自分のお役立ちを明文化できたら、後は実行していくのみです。実行するときに指針としてまとめたものが、5つの行動です。



1.小さな業務でも次工程を意識して知恵を出す


この程度のことならすでにやってるよ、という方もいるかもしれませんね。そうなんです。お役立ち道を実践するというのは大げさな、大仕掛けのことではない、日常起きていることの中でできることなのです。


小さな業務、雑用と言われかねないことでもきちんと行うことは大事ですね。大事と頭でわかっていても、周りの人に「大した業務じゃない」といった反応をされると、いつしか「私は大した業務をやっていない」と考えてしまうかもしれません。そして「大した業務じゃないんだから、この程度の力の入れ具合でやればいいや・・・」とやると、うっかりミスが続出し、自分自身が落ち込む羽目になります。


そして、どのような業務でも次の工程があります。自分が担当する工程だけでなく、次の工程のことを考えて、こうしたほうがいいかなと知恵を出すことで、少しずつでもより良い業務状態にしていくことができます。

例えば、最初にプロジェクトメンバー全員にスケジュールが知らされていたとしても、次の工程を担当する人にスケジュールを再掲することで、うっかりや思い込みを減らし全体スケジュールの遅延をなくすことに貢献できます。


次工程、さらにはその先の工程まで意識し、知恵を出すことを積み重ねることで、あなたのお役立ち道は確立されていくのです。



2.人はその人にしかできない「何か」を持っている、と信じる


あなたが、自分ならではのお役立ちを見つけてお役立ち道を探求したいと思ったように、誰かの役に立ちたいという意識は誰でも持っているのです。

この「自分の中にも他の人にも、お役立ちの意識がある」「他の人にも、私にも素晴らしいところがある」と信じることが、5つの行動の2つ目です。


お役立ちイメージをいったん書いてみると、そのことを意識するようになります。すると、書いたことに対する関心が高まったり、できるようになりたいとスキルを磨いたり、思考が深まったり、同じことを志す仲間が見つかったりと、どんどんお役立ちイメージが拡がるのです。


結果として、仕事が楽しいと思えたり、自分なりのお役立ちに自信が持てるようになります。自信が持てるようになると、もっと極めたいと思うのが人の常です。

ところが、いろいろ頑張って、それなりに変化もあるのに、なかなか自信が持てない人もいます。


自分も他人も、その人にしかできない何かを持っている、と信じるには「美点凝視」の考え方が不可欠です。

美点凝視というのは聞きなれない言葉かもしれませんね。これは私たちがとても大切にしている言葉で、人の良いところ(美点)をじっと見つめる、ということです。一般的に、長所という言葉が使われますが、短所の対極という意味ではなく、その人の本質的な美点(美しいところという意味。容姿ではない)を指します。美点はその人の内側に隠れている場合もありますのでじっと見続ける(凝視)ことで見出すことができます。


自分に美点なんてあるのかな、と思ってませんか?感謝されようと思ってやったことではなくて、自分が好きだから夢中になってやっていただけなのに、周囲からありがとうと言われたことはありませんか。感謝されて気恥ずかしいけどなんだかうれしいと感じる、これは役に立つ喜びなんです。その人の美点(強みや価値観)があり、行動をしたから、役に立ち、感謝されたという結果が出たのです。


美点凝視は、良好な人間関係を作ったり、こじれた人間関係を修復したりするうえでも要となる考え方です。



3.コォ・イノベーターを目指す


チームで取り組むことで革新度が格段に上がる、これは実感している方も多いのではないでしょうか。

個人でやる面白さもありますが、チーム(プロジェクトや各部署)でやるともっと面白く、メンバーと自分の考え方の違いを感じて、自分の強みを自覚したり、チームメンバーの美点を発見することも多くあるでしょう。


そして、チームで取り組む時、チームに良い影響を与え、より大きな成果を出すことに貢献するのが、「コォ・イノベーター」です。

コォ・イノベーターとは、変革の協力者という意味で、ジェックの造語です。


2つめの行動、「自分の中にも他の人にも、お役立ちの意識がある」「他の人にも、私にも素晴らしいところがある」と信じる、とあったように、それぞれの強みを活かせば誰でもコォ・イノベーターになれます。

そして、メンバーそれぞれが、自らの強みを発揮して役に立ちたい、コォ・イノベーターでありたいと協力して行動することで、そのチームがどれだけお役立ちの意識に基づいた活動ができるかが変わってきます。



4.価値共創のパートナーを実践する


価値共創のパートナーというのは、例えば、1つのテーブルに横に並んで座り、同じ方向をみて一緒に考え将来を描こうというスタンスを意味しています。何もカップルだけのことではなく、ビジネスでもこの関係性を意識することがお役立ち道を探求していくうえで重要な考え方なのです。


一緒に仕事をしましょう、パートナーになりましょうと口では言っても、駆け引きや取り引きの意識があると、パートナーにはなれません。結局は、自分の所にたくさん利益を持っていくんだろうという損得勘定や、パワーバランスが働いてしまいます。


同じ方向を見るというのは、例えばお客様との場合、お客様のその先のお客様、あるいはお客様の市場やその先の社会に向けて、お客様はどのように役に立とうとされているのか、目指す姿は何なのかというイメージや構想をすり合わせることです。


この過程で、お互いの強みは何なのか、どのようなパートナーになっていくか、お互いの理解が進み相手を尊重し合える関係性を作ることができていきます。この関係性の連鎖が続いた世界を想像してみてください。


さて、パートナーになるためには、あなたも組織も、どういうお役立ちをしていきたいかというお役立ちイメージをきちんともっていることが必要、つまり、パートナーとして選ばれるには力量が必要ということです。

最良のパートナーがほしい、と考えるのは、あなただけではなく相手もなのです。



5.あなたのお役立ちイメージと、組織のお役立ちイメージ(使命)の一致点を見出す


あなたが何かしらの組織に所属していたら、その組織がどのようにお客様や市場にお役立ちしていきたいのか気になりませんか。組織に所属していなくてもあなたの仕事関係者や生活環境に影響を与える人たち(ステークホルダー)がどうしたいのか、あるいは、あなたにどのようなことを期待しているか、考えるでしょう。


この時に大切なのは、あなたのお役立ちイメージと、(ここでは組織という表現で統一しますが)組織のお役立ちイメージやあなたに期待することの両方を意識しながらお役立ち道を歩んでいきましょう、ということなのです。


どちらが欠けても不明確でもうまくいきません。

両方を意識していくと、一見違う方向を向いているように見えても実は一致点があった、それによって、ますますお役立ちイメージが信念化し進化させることができると同時に組織の一員として組織に、お客様にお役立ちすることができます。



まとめ


ここまで、お役立ち道を実践するためのポイント「5つの行動」を見てきました。

お役立ち道を実践するための行動、と聞くととっつきにくかったかもしれませんが、どれも身近なこと、あるいはいくつかは意識せずにやっていたこともあるのではないでしょうか。

お役立ち道を探求してみたいあなた、「5つの行動」のキーワードを、1日に1個思い出してみてくださいね。