第13話:「自分流」のお役立ちを見出す④/いまの仕事でもっと役に立てる ~自分流のお役立ち道~
「自分流のお役立ち」を考えるポイントである、WILL(価値観)、CAN(強み)、MUST(やるべきこと)のうち、今回はMUST(やるべきこと)について考えていきます。
「やるべきこと」というのは、今、所属している企業でやるべきこと、つまり企業の理念・ビジョン・方針といった方向性のことです。今、所属している企業で、今の仕事を通じてお役に立つためには、企業の方向性と自分の価値観、自分の強みをマッチングさせることが必要なのです。
しかし、「今の仕事は面白くない。だから、自分の価値観や強みとマッチングすることなんて無理・・」という人がいます。また、「この仕事はやりたくて始めたわけじゃないし、やりがいもない」という人もいます。
本当にそうでしょうか?
皆さんの会社で、活き活きと、やりがいを持って仕事をしている人はいませんでしょうか。「なんであんなに頑張れるんだろう?」と見ていて不思議になるような人です。そのような人たちは、きっと会社の仕事、今の仕事で「お役立ち」を感じているはずです。
もし、まだ今の仕事でお役立ちを感じられていないのであれば、次のステップから始めてください。
STEP1:自社の企業理念をもう一度理解する
今の会社の企業理念をもう一度読んでみてください。企業理念というのは、会社が一番大切にしている考え方ですが、きっと「社会のために役立つ」「お客様のために役立つ」「従業員のために役立つ」といったことが書いてあるはずです。そして、その会社ならではのこだわりもきっと書いてあります。
例えば、あきんどスシローの理念は「うまいスシで腹いっぱい うまいスシで心もいっぱい」です。「うまい」という言葉を2回使っているように、「おいしさ」で生活者に幸せをもたらしたいという想いが感じられます。一方でくら寿司の理念(コンセプト)は「Food Revolution 食の変革」です。新しい商品、新しいオペレーションでもっともっと役に立つ企業になりたいという想いを感じます。
寿司を提供している企業でも、違う理念、違うアプローチで世の中に役立とうとしていることが分かります。あなたの会社の理念はどうでしょうか?
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STEP2:今の仕事の「これからの役割」は何か?
企業理念そして時代の変化を考えた際に、今の仕事の「これからの役割」は何でしょうか?
例えば、当社ジェックはアフターサービス部門の研修やコンサルティングを多く手掛けています。お客様先にお伺いしてアフターサービスを提供するカスタマーエンジニアの方々の「これからの役割」とは何でしょうか。かつては「機器を修理・メンテナンスする仕事」でした。しかし、お客様先にお伺いするついでに色々なものを提案することが求められるようになり「業務改善のソリューションをする仕事」に進化してきました。昨今では、「最もお客様の情報を持っているのはカスタマーエンジニアである」と気づいた企業も増え、「マーケティングの最前線を担う仕事」と言っている企業もあります。
このように、企業における仕事は徐々に進化し、「やるべきこと」「求められること」は変わっています。今の仕事のこれからの役割を考えてみてください。
STEP3:自分に求められていることは何か?
これからの役割を意識した際に、自分に求められることは何でしょうか?
例えば、先ほどのカスタマーエンジニアの例で言うと、以前は「修理・メンテナンス」の知識と技術が求められました。しかし、徐々に「コミュニケーション力・提案力」が求められるようになってきました。そして、マーケティングの最前線となると、「お客様の業界知識・業務知識」「情報を収集するためのヒアリングスキル」「キャッチした情報を整理し共有する、ナレッジマネジメント」等が求められるようになります。
今、既に求められていることは、誰でも分かります。重要なのは、「これから求められるようになること」なのです。今のうちから、それを察知し、知識・スキルを身につける努力をしておくことで、今の企業というステージでますますお役立ちできるようになります。
長く同じ企業にいると「いつもの会社」「いつもの仕事」という感覚に陥り、なんとなく分かった気になってしまいます。しかし、「そもそも、この会社がやりたいことは何なのか?」「時代はどう変化しているのか?」ということを考え、改めて自分の仕事を見直してみることで、新しいお役立ちのヒントが見つかります。
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「世の中の役に立ちたい」「お客様の役に立ちたい」と本気で考え、仕事のレベルを高めていくことを「お役立ち道の仕事ぶり」と呼んでいます。
そして、社員同士が手を取り合って様々なことにチャレンジし、よりお役に立てる仕事を創り出していく経営を「お役立ち道経営」と呼んでいます。
このブログでは、社員一人ひとりがお役立ち道の仕事を極め、自分らしくやりがいを持って仕事をする企業をつくるためにはどうすればよいかを考えていきます。
(つづく)