
批判を恐れていないか?/経営トップの経営判断10カ条【第5話】
変革に「批判」はつきもの。
その「批判」を糧にして、変革を成功に導くには?
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※動画の内容と、下のテキストの内容は同じです。
このシリーズは、『不倒不滅を実現する 経営トップの経営判断の基準とは』(株式会社ジェック, 葛西浩平, 2020, Kindle版)をベースに再編集しました。
経営者はさまざまな局面で経営判断を迫られます。
Aか?Bか?どちらを選択しても、メリットもあればデメリットもあるし、どちらも批判は避けられない。
その時に 批判を覚悟でAかBを選ぶのか、折衷案で批判を避けるのか、どうすれば良いでしょうか?

経営者Dさんの場合-役員体制の刷新
我が社ではかつて、役員体制が大きく変わった時期がありました。私もこの時新任役員の一人でした。
当時の業績状況は芳しくなく、時代の変化に合わせて会社を変えようと、社⾧をはじめ役員が一丸となって議論を重ね 、新たな施策を全社の会議で発表しました。
その時の反応は、前任の役員たちも含め、ほとんどの社員から不安と不満を根底にした批判的なものでした。
私たちなりに、その会議の場以外でも説明を尽くしたつもりでしたが、これまでの我が社に無い組織体制や人事制度、市場展開策に対しての不安や批判は、半年経っても止まないどころか、むしろ大きくなっていきました。

このように、経営判断には批判が付きまとうものだとはわかっていましたが、その批判から逃げ出したり反対派を力で排除したくなる時もありました。
解説-批判覚悟か避けるのか
批判が起こるタイミング
批判が起こるタイミングは、主に2つあります。
一つは、「変化を迫られた時」。もう一つは、「変化を実感できない時」です。
「変化を迫られた時」、つまり、何かが大きく変わろうとした時は、
- 変わることへの不安
- 既得権益を守りたい
など、防御する心理がはたらきます。
「変化を実感できない」時の場合、新しい行動を起こしてみたものの、
- 変わらないことへの焦りや怒り
- 慣れ親しんだ行動への回帰
など、以前を懐かしむ心理がはたらき、元に戻ろうとします。
リスクを覚悟で決めたからには、経営トップとして信念を持って変革を進めていきましょう。
その時の留意点を2つご紹介します。
1.経営判断による決定を正当化するのは理屈ではない
成果が出てくれば、批判をしている反対派も納得せざるを得なくなるでしょう。
小さくても成果事例を数多く出すことに注力することが必要です。
2.批判歓迎の精神を持つ
批判をする人の声を聴かなかったり、封じ込めたりするのは、大変もったいないことです。
このような時こそ「組織として学習するチャンスである」と捉えることです。
例えば、市場のニーズの精査やマネジメントのあり方、戦略・戦術や実行する技能の精査など、組織の知恵を引き出すチャンスになるのです。こういった声やアイデアを新しい方向に取り込んでいくことで、成果が上がるきっかけが見つかることもあります。
自分たちの声に耳を傾けてくれて成果につながったと実感できれば、批判の声も少しずつ収まり、新しい方向に前向きに取り組む姿勢も出てくることでしょう。
意思決定の前に実施すること(無用な批判を生み出さない+より良い策を共創する)
とは言っても、「批判は出るものだから」と割り切ってしまい、事前に何の手を打たないのもよくありません。
A案でもB案でも、決定する前に敢えて、決定者自身で客観視して批判してみるということも必要です。さらに、決定する側だけで批判をし合うのではなく、主だった社員に意見を聞き、そこで出た不安や批判をより良い判断に反映させていくというプロセスも重要です。

これは社員との共通の認識を創るだけでなく、社員の心理に寄り添うことにもつながり、経営判断による決定への理解を深めることにつながります。
経営トップとしての成長のチャンス
更にこのプロセス自体が、経営トップとして成⾧、特に、メンタルパワーを強化するチャンスと捉えることです。
経営トップは経営トップとして、柳のような「柔軟さ」、雑草のような「打たれ強さ」、それに「ぶれない信念」が必要になります。更に、「組織の能力を引き出す力」も問われるものです。
経営判断の一つひとつが、自分の心を磨くチャンスと捉えることです。
経営者Dさんのその後
私たちはそのような中でも、賛同する社員、動きを変えようとする社員と共に、小さな成功事例をつくる地道な活動を続ける以外にできることはありませんでした。
最終的には、「この方向で良かったのだ」と思ってもらえる一定の成果が出始め、共感者が増えていったのですが、その当時の社員の不安感情は、ピークの状態であったと思います。
当時を振り返ると、もっと早く社員の不安感情を取り除けていたらと、自分の力の無さを悔いるばかりです。
まとめ-経営トップの判断基準
「批判を恐れず決定しているか」で判断せよ | |
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次回は、「5.価値創造の戦略と体制になっているか」についてご紹介します。
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