catch-img

理念か? 戦略か?/経営トップの経営判断10カ条【第2話】

社長に就任し、起死回生の業績向上策を期待されている私。

その時に打つべき手は、理念の浸透か? 画期的な戦略の打ち出しか?

今回は、10カ条の「1.経営理念に立ち戻る」です。   

YouTubeチャンネル「お役立ち道ねっと」の登録よろしくお願いします!(リンク先を押すと、YouTubeチャンネルに遷移します。)

※動画の内容と、下のテキストの内容は同じです。

このシリーズは、『不倒不滅を実現する 経営トップの経営判断の基準とは』(株式会社ジェック, 葛西浩平, 2020, Kindle版)をベースに再編集しました。


経営者Aさんの場合-着任後、何から手をつけるのか

私が前任者から引き継ぎ、経営トップについた時、業績成果は一進一退でした。この状況を打破し、右肩上がりにすることが私に期待されていることと自覚をしていました。

その時に私が悩んだのは、「今までの戦略をより具体化して打ち出すのか」「経営理念をより深く理解させる手を打つのか」でした。

社員は当然、起死回生の戦略を期待していたことでしょう。

より具体的なターゲットを決めて、画期的な商品やサービスを投入し、市場にどうアプローチするかを打ち出すことで、社員の行動を徹底させて業績成果につなげるということです。

しかし、私は以前、経営理念はさておき戦略に重点を置いた結果、目の前の「業績成果一辺倒」のマネジメントに陥ってしまったことを体験しました。

また、戦略を考えるのは経営トップで、現場はそれを実行する人というトップダウン型の思考を強化することになり、指示待ちのリーダーやメンバーが増えてしまうというデメリットもありました。

さらに、「何のために仕事をして、何に役立っているのか」の手応えが少なく、モチベーションを上げるのに大変苦労したものです。

かといって、理念は創業以来言い続けてきていることです。今さら「理念をより深く理解しよう」と言っても、それが「起死回生の方向で今の業績に直結する」とは、誰も理解しないのではないかとも考えられました。

つまりどちらを選択しても、同じような困難さが考えられる状況だったのです。



解説-経営理念か戦略か

理念とお役立ちイメージの接点

経営理念とは、

  • 何が自社の存在目的なのか?
  • 自社の強みを活かして社会や市場をより良くするために何をなそうとしているか?

を言語化したものです。

この存在意義が社員全員に浸透していると、自分のお役立ちイメージとの接点を見つけて、自ら理念の実践やお役立ちビジョン実現のために、考えて行動をするようになります。

リーダーの役割

特にリーダーが依存的にならないように、理念や経営方針を受けて具体的な戦略立案と推進をしていく役割があることを伝え、任せるようにしてください。

また、このように、各階層ごとに役割を明確にし、お客様や市場に近いところで戦略や戦術を決めて、お役立ちの創造を推進していくと、顧客とのエンゲージメントも高まり、組織文化も変わり、現場主導での成果が生まれてくるようになります。

経営トップの役割

経営トップは、これらの役割を推進するためのマネジメント層へのサポートを根気強く行う必要があります。経営トップから見ると物足りない現場戦略であっても、60点主義で見守る忍耐力も持ちましょう。

経営理念、つまり何を大切にしているかということにトコトンこだわり続けることで、経営トップの姿勢が社員集団に伝わり、「一緒に頑張ろう」という社員集団のやる気や一体感を醸成することにもなります。さらに、仕事に対する社会的意義を思い起こすことができ、誇りにつながる確率も高くなるのです。



経営者Aさんのその後

結局私は、経営理念の浸透に取り組むことに決めました。

言葉として浸透している経営理念の「本質的な意味は何か」「我が社はなんのために存在し、社会や市場をより良くするために、何を成し遂げようとしているのか」「お客様にどのようになっていただきたいのか」を、役員やリーダーたちと対話をしながら整理をしていきました。

そうすることで、リーダーの中から、新しいソリューション商品の開発や新たな事業につながる市場戦略などが出るなど、社内で面白い動きがあちこちで起こるようになりました。

ただ、中・⾧期的な展望が見え始め、理念の浸透は間違いではなかったと感じる一方で、短期的な業績成果にはなかなかつながらず、社員を不安にさせてしまいました。

しかしここで、私が戦略立案に口を出してしまうと元の木阿弥だと我慢の日々でした。しばらくするとようやく「一進一退」から脱却し、戦略成果が出始め、短期の業績もついてくるようになりました。



まとめ-経営トップの判断基準

「経営理念(目的・使命)を体現できるか」で判断せよ

「何が自社の存在目的なのか」「自社の強みを活かして社会や市場をより良くするために何を成そうとしているか」に立ち戻ることである。

次回は、「2.Y理論経営を基準とする」についてご紹介します。

👨👩 経営トップの判断基準10カ条 全記事一覧ページへ(本編12話、番外5話)

▶ お役立ち道オープンバッジ(共感者→実践者→伝道者)を取得しよう

オープンバッジとは

このシリーズの新着記事


関連記事


人気記事月間ランキング