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ネガティブ・ケイパビリティと組織風土


「ネガティブ・ケイパビリティ」をわかりやすく知る。解決を急がず、曖昧な状況や不確実性と向き合う力は、チームや組織の成長を支える重要なスキルです。若手社員の小川ひなたの職場でのエピソードを通じて、その価値を探ります。


目次[非表示]

  1. 1.今、注目されるネガティブ・ケイパビリティ
  2. 2.急な仕様変更を告げられるミーティング
  3. 3.不確実性への対応
  4. 4.ミーティング後、ひなたは中村先輩に相談する
  5. 5.組織風土に関する阻害要素
  6. 6.組織風土に関する促進要素



今、注目されるネガティブ・ケイパビリティ


先行きが不透明な現代に、前に進むアクセルだけでは、見当違いな解決策や、大切な事だが分からないことは放置し、当面凌げる表面的な解決策を選択したり、それがまた別の問題を生むなど、多くの弊害が考えられます。


そこで、すぐに解決をしようと急がずに、「解決しない心地悪さ」と共に居ながら、一度立ち止まって熟考するというブレーキが必要。そう思っても、それを阻害したり促進したりする組織風土は見過ごせない。




小川ひなたも、日々自分を取り巻く課題や組織風土に直面している。

登場人物:

小川ひなた(25歳・入社3年目):真面目で丁寧な仕事ぶりが評価されるものの、変化や曖昧さに戸惑うことも多い。
田島課長(45歳・上司):顧客対応が得意な一方で、指示が大雑把になりがち。
中村先輩(30歳・チームリーダー):経験豊富で面倒見が良いが、仕事の進め方はざっくり派。





第1話:「また仕様変更…」

急な仕様変更を告げられるミーティング



「お客様から追加要望があり、仕様変更が必要になりました。」田島課長がさらりと言う。ひなたは心の中でつぶやいた。「また急な変更…理由も納期の調整も何も説明がない。」

この職場では、会議で議論が盛り上がることはほとんどない。課長が話す内容を誰もが受け入れるだけで、質問すら出ない。ひなたも「聞きづらいな…」と感じながら、ただメモを取っていた。


ある部分で、「え、仕様変更ですか?」ひなたは思わず声を上げた。
先週やっと仕上げた提案書が、顧客の追加要望でほぼゼロから作り直しになるという。


「仕方ないだろう、顧客からの要望なんだから。」田島課長は肩をすくめた。「納期は変わらないから、よろしく頼むよ。」

納期は変わらない――その一言で、ひなたの頭は真っ白になった。自分のスケジュールも厳しい中、どうやってこの変更に対応すればいいのか。



その後のミーティングでも、課長は具体的な指示を出さない。焦るひなたに、中村先輩が声をかけた。


「小川さん、まずは落ち着いて。こういう時は全部完璧にしようとするんじゃなくて、ゴールを整理するのが先決だよ。」


ネガティブ・ケイパビリティ



不確実性への対応


中村先輩のアドバイスを受けて、ひなたは「まず受け入れる」ことから始めた。

仕様変更の背景を確認してみた。仕様変更への対応策として、 何が優先事項なのか、顧客が最も求めているポイントを課長に質問する。

タスクの優先順位を調整する。 すべてを一度にやろうとせず、チームで分担を相談。これってチーム内のコミュニケーションやチームでの課題解決につながりそう。

「なんとか、整理がつきそうです!」ひなたは少しほっとした表情を見せた。仕様変更は負担だったが、「受け入れて観察する」姿勢が少しだけ身についた瞬間だった。




ミーティング後、ひなたは中村先輩に相談する


「先輩、この仕様変更って何が優先事項なんでしょうか?」
中村先輩は笑いながら言った。「そういう時は、課長に直接聞いてみるのが一番だよ。背景を分かれば、どこを頑張ればいいか分かるはず。」


恐る恐る田島課長に質問するひなた。


「あの…顧客が一番重視している点について教えていただけますか?」
課長は少し驚いた顔をしながら、「確かに説明不足だったな。顧客は“実際の使いやすさ”を最優先しているんだ。自社内の調査と一部のエンドユーザーの声も参考にしたらしい。」と答えた。



ひなたは「使いやすさ」を重視した改訂案を作成。次回の会議で共有し、全員が納得して進める体制を整えた。


「最初の一歩を踏み出してよかった。曖昧でも、まず聞いてみることが大事なんだな…」と、ひなたは実感した。


パンダ



組織風土に関する阻害要素

・現場への情報共有不足

・沈黙する会議(誰も発言しようとしない)

・仕様変更の理由が共有されず、現場が「察して」対応するしかない状況。

職位や発言リスクを気にして、誰も意見を出さない雰囲気。


組織風土に関する促進要素

・信頼できる先輩の存在

・中村先輩が相談に乗り、次の行動を提案。

・上司との対話ができる雰囲気

・上司への質問によって背景が共有され、ひなたが納得感を持って進められた


  「ネガティブ・ケイパビリティ」とお役立ち道 混沌とした世界、すぐに答えや解決策を求めるのではなく、あいまいさや不確実性を受け入れそれらと共存する力かもしれない。一度立ち止まることが必要かも。 お役立ち道ねっと


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