
相手を共創のパートナーとして尊重する…そうはいっても/お役立ち道の実践05
お役立ち道実践ガイドでは、自分が描いた「お役立ちイメージ」を実践していく上での
ポイントを解説してきました。
そのポイントはすぐに受け入れられることもあれば「そうは言ってもなぁ・・・」と
思うこともあります。
今回は、そのポイントの4つ目。「相手を共創のパートナーとして尊重する」ことへの
「そうは言ってもなぁ・・・」について考えていきましょう。
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目次[非表示]
「共創のパートナーになる」とは?
お役立ち道とは、「お役立ちの精神と技量を究め続けること」
そのお役立ち道を実践するときには、まず意識していく5つのポイントについて
ご紹介しました。
- どんな業務でもその先の「お役立ち」を考える
- 自分の可能性を信じる
- 自分らしさで周りに良い影響を与える
- 相手を共創のパートナーとして尊重する
- 自分と組織の「お役立ちイメージ」の両立を図る
この5つのポイントは、人によって「すぐにできるよ」ということもあれば
「そうは言ってもなぁ・・・」という感情も残ることもあるでしょう。
今回は「相手を共創のパートナーとして尊重する」ことについての「そうは言っても・・・」
を考えてみましょう。
お役立ち道ねっとでは、共創のパートナーについて、何度かご紹介してきました。
なので、ここではポイントだけを確認します。
共創のパートナーについて詳しくおさらいしたい方は、お役立ちイメージ作成ガイドや
お役立ち道実践ガイドをご覧ください。
相手を共創のパートナーとして尊重することを実践するための、具体的な実践ポイントが
以下の3つです。
- 向かい合わせではなく、横にいて同じものを見て(目指して)一緒に考えて創る。これが「共創のパートナー」のスタンス。
- 社会へのお役立ちと同時に、パートナーへのお役立ちも考えよう。
- パートナーと共創した価値の提供をゴールとせず、価値創造の無限サイクルを回し続けよう。
これが、相手と共創のパートナーになるときのポイントです。一つずつ見ていきましょう。
パートナーと同じ方向を向いて「価値創造の無限サイクル」を回す
まず、誰かと共創をするときは、向かい合わせだと対立を生みやすいです。なので、同じ
方向を見て一緒にそれを目指すことが大事です。これが共創のパートナーとしての基本
スタンスです。そして、共創によってより良い社会づくりを目指すことはもちろんですが、
その前にお互いのメリットが無いと続きません。なので、相手と共創する時は社会への
お役立ちと同時に、パートナーへのお役立ちも考える必要があります。
さらに「価値創造の無限サイクル」を回し続けることも必要です。
「価値創造の無限サイクル」という、聞きなれない言葉が出てきました。
「価値創造の無限サイクル」とは、価値共創をゴールとせず、それをもっとみんなで共有して
進化させていこう。という考え方です。
もう少し具体的にいうと、まず、目指したい姿があって、それを実現するための課題が
あります。そのために、みんなで共創して、新たな価値を生み出します。それを、みんなが
使えるように、スタンダード化、汎用化します。さらに、それをオープンにして、改良や、
新たな課題解決のために、みんなで共創をします。その進化した価値を、またスタンダード化
し、どんどん進化していくイメージです。
サイクルというより、スパイラルで成⾧するイメージかもしれません。そのため、一過性で終
わらせず、このスパイラルを回し続けていくのが望ましいです。
「行動理論の三階層」で整理する
相手を共創のパートナーとして尊重し、共により良いアイデアを創発していくための実践
ポイントを解説しました。
では、こういったことを意識しながら実践するときの行動理論を見てみましょう。
相手を共創のパートナーとして尊重しよう。
なぜならば?
お互いのアイデアを大切にして、それをベースに創発することで、新しい価値は生まれる。
なぜならば?
共創とは、お互いの信頼から生まれるもの。
このように整理してみると、パートナーと新たな価値を創発するために、お互いの信頼関係や
尊重しあうことも重要な要素としてひとつなぎになっていることがわかりますね。
スタッフに聞いてみた!「共創」への「そうは言っても・・・」
ここまで読んでいただいて「確かにそうだ」と思った方もいらっしゃるのではないでしょう
か。しかし「そうは言っても」という想いは、ふつふつと湧いてくるものです。
そこで、今回も「そうは言っても」の想いを、ジェックのスタッフ8人に聞いてみました!
聞いたことをそのままご紹介するので、重複した内容もありますがご了承ください。
- 共創を心掛けるものの、自分の意見の押し付けになっているような気がする。
- 関係性ができるまでは、どうしても対峙の関係となり、要望だけをぶつけ合うという状況になってしまうこともある。
- 無意識のうちに、取引や損得勘定のモノサシで考えてしまうことがある。
- 価値共創をしようと働きかけるが「そういう価値観はない。興味がない。わからない。」と言われてしまうことが多い。
- 意見の違いがある時、反発で終わらないようにすることに気を取られ、共創とまではなかなか難しい。
- ビジネスだと利益を上げることを考えてしまい、真のパートナーとしての出会いや選ばれる確率は低いのではと思う。
- 共創を目指したいが、時間がかかるなぁというのが実感。
- お互いの強みに責任を持って、同じ方向を見るまでに時間がかかり、共創のパートナーの道が遠く感じる。
こうして見てみると、みんな「共創は大事」ということはきちんとわかっていても、相手を
巻き込むのが大変だったり、共創しようとしてもついつい対立してしまったりということも
あるようです。相手と同じ方向を向くにしても、つい損得勘定で考えてしまうというのも、
共感できるところではないでしょうか。
スタッフにもっと聞いてみた! - いろいろな視点から考えてみよう
今回もいろいろな意見が出ましたが、その中で、
- 共創を心掛けるものの、自分の意見の押し付けになっているような気がする。
こちらの「そうは言っても」についてほりさげてみましょう。
ということで、この意見を出したジェックスタッフのさくらさんに、お役立ち道ねっと
スタッフのソラが、もっと詳しく聞いてみました!
ソラ:さくらさんは「共創を心掛けるものの、自分の意見の押し付けになっているような気がする」ということですが、どういうときにそう感じるのでしょうか。状況を詳しく教えてください。
さくらさん:相手を尊重してアイデアを聞いているし、その上で自分のアイデアも言っている。でも、最終的にみんなが私に迎合しているように感じて、なんか気持ち悪いんです。
ソラ:なんで、そう感じるんでしょうか?
さくらさん:うーん。もしかすると、共創といいながら、他の人のアイデアを、自分のアイデアに寄せようとしているのかもしれません。
私のアイデアが一番でしょって、知らない間に、相手に圧を加えているとか。それに辟易して、みんな、それぞれが考えてきたアイデアを通すことをあきらめているのかな?
そうだとしたら、最悪・・・。最低・・・。ですよね?
ソラ:そんなに自分を責めないでください。何が自分にとっての違和感かがわかってきたのはとても良いことですね。
もう少しその違和感の実態を紐解いていきましょう。
なぜ、さくらさんは、相手の意見を自分の意見に寄せようとしてしまうんでしょうか。
さくらさん:自分のアイデアに自信があるから、なんとしても実現したいなと・・・
ソラ:その想いは素敵ですね。では、なぜ自分のアイデアに自信があるんですか?
さくらさん:それは、誰よりも一生懸命考えているから。そこは、頑張っているというか。
ソラ:それは素晴らしいことですね。ただ、もしかすると、相手も同じくらい一生懸命考えているかもしれないですよね。
さくらさん:えっ・・・! もしかすると、どこかで共創の必要なんてないと思っていたのかもしれないです。相手の話を聞いてあげているというのが、相手を尊重していたつもりだったのですが、根底では「私の方が考えているのだから良いアイデアに決まっている」と、相手を軽くみていたのかもしれません。相手のアイデアも尊重しなければ、共創なんてできないですよね。
改めて一つずつ考えてみて、相手を尊重するということの視点が変わったように思います。
ソラ:相手の立場に立ってみたり、色々な視点で考えたりすることが大切なのかもしれませんね。
さくらさん、ありがとうございました。
こんな風に、自分の立場や相手の立場などいろいろな角度から考えてみるのもいいですね。
次回は「自分と組織のお役立ちイメージの両立を図る」について考えていきましょう。