
ダブル・ループ学習の実践法/お役立ち道実践ガイド【第7話】
お役立ち道を実践するうえで、私たち自身の成長に欠かせないのがダブル・ループ学習です。
前回は、その中でも重要な「行動を支配する価値観」つまり「行動理論」を可視化することの
メリットと、これから持ちたい行動理論の見つけ方をご紹介しました。
今回は、実際にうまくいった行動をとった時と、つまずいた行動をとった時に、
どのように、シングル・ループ学習やダブル・ループ学習をするのかを整理します。
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ダブル・ループ学習のやり方①成功体験の再現性を高める
お役立ち道の行動を強化するダブル・ループ学習/お役立ち道実践ガイド【第3話】では、
私たちが何らかの行動を取り、その行動がうまくいかなかった場合に、行動そのものの修正
(シングル・ループ学習)だけではなく、なぜその行動を取ったのか。という価値観。
つまり「行動を支配している価値観」まで深く踏み込んで観察し、修正していくことを
「ダブル・ループ学習」ということをご紹介しました。
では、実際に、うまくいった行動とつまずいた行動をそれぞれ取った時に、
どのようにシングル・ループ学習や、ダブル・ループ学習をすればいいのでしょうか。
まずは、うまくいった場合からみていきます。
シングル・ループ学習では、成功した行動そのものを繰り返し、成功を再現しようとします。
もちろん、それで成功することも多いですが、時には失敗もします。
成功した行動を繰り返しているのに、なぜ失敗するのでしょうか。
それは、繰り返している行動は無意識のうちに行われていて
「なぜ、この行動が成功するのか」を理解していないため、再現度にばらつきが出てしまう
からです。そこで、ダブル・ループ学習で、「なぜ、この行動をすると成功するのか」を
行動理論の三階層で整理をします。すると、その行動をすることで成功するには、どうすれば
成功する確率が高まるかがわかった上で、行動を取ることができるようになります。
つまり、成功パターンの仮説を立て、意識して行動することで、更に成功確率が高まり、
またその局面で、より成⾧することができます。
ダブル・ループ学習のやり方②つまずきの理由を探り、行動理論を変えていく
続いて、つまずいた場合で考えてみます。
シングル・ループ学習では、つまずいた時に行動そのものの修正をしようとします。
しかし、行動を支配する価値観。つまり行動理論が同じままだと、新たな行動が取れず
失敗を繰り返すことが多いです。
ですがこういった状況では、こういう行動を取った方が良いと知った。あるいは、行動の
トレーニングをした結果、行動変容ができた。というケースでは、成功することもあります。
この場合は、まだ行動理論が確立していないか、それほど根深くない時に、行動変容が
起きやすくなります。
ところが現実には、私たちは、なかなか行動を変えられず苦労をしています。
そういう時には、ダブル・ループ学習で、つまずきの要因を可視化することから始めます。
そして、前回ご紹介したように、新たに持ちたい行動理論を見つけていきます。
その行動理論を意識しながら行動をすることで、だんだん成功する確率が高まって
いくのです。ただし、一度成功したから大丈夫。というわけではなく、ダブル・ループ学習を
繰り返して、自分が持ちたい新たな行動理論を、成功の行動理論として定着させていくことが
必要です。
メタ認知と新たな行動理論が定着していくまで
ダブル・ループ学習は自分の行動理論をメタ認知することが重要になってきます。
そして、メタ認知をするときには、自分の中に沢山の判断材料があるとより客観的に
行動理論を振り返って、改善点を考え、修正することができるようになります。
なので、ぜひ自分の内的資源を増やすことも心掛けていきましょう。
また、行動理論は定着までに行ったり来たりと揺れ動くものです。
時には、なかなかうまくいかず元に戻ってしまうこともあります。
新しい行動理論と行動が定着していくまでには、下の図のように、いくつかの関所が
あるのです。
自分が変わっていく過程で、どのような関所があるかを認識しておくだけでも、焦ったり、
あきらめたりせずに、チャレンジすることができます。
「意識が行動をつくり、行動が習慣をつくり、習慣が人格をつくり、人格が運命をつくる」
という言葉もあるように、ダブル・ループ学習を通じて、一歩一歩成⾧をしていくことで、
お役立ち道にまい進する自分自身の環境も、だんだんと変わってくるでしょう。
そのプロセスも、楽しみながら取り組んでくださいね。
お役立ちイメージ作成ガイドも、ぜひご覧ください。