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お役立ち道から見る経済指標


GDPをはじめとする経済指標。

「お役立ちに満ちたより良い未来」の視点でみると見方がかわるかも。




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 国の豊かさを測定する指標としてなじみ深いものは、GDP(国民総生産)です。
 

 しかし、近年の経済・社会構造の変化によって「GDPという指標の限界」の認識が高まっていることが指摘されています 。

お役立ち道と経済指標

グラフの出典:「GDP成長率(年率)」,世界銀行,https://data.worldbank.org/indicator/NY.GDP.MKTP.KD.ZG




 
 そして、GDPが測定できないものがあります。

例えば、幸福度、不平等の度合い、持続可能性などを表すことができません。
 

参考:国土交通省「令和3年版国土交通白書」第I部 危機を乗り越え豊かな未来へ 第2節 豊かな未来の姿 コラム 日本の幸福度はどれぐらい? https://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/r02/hakusho/r03/html/n1325c01.html


 

 そもそも、GDPが考案された目的は、1930年代の時期で、国の生産力と戦争を遂行するために必要な軍事調達を把握するために開発された指標であり、GDPの考案者の意図は、「GDPで社会の幸福(well-being)や豊かさの度合いを測ろうとしたわけではなかった。」とされています。
 
 そのように、GDPは経済活動の性質にかかわらず、全ての経済活動を記録するため、社会にとって悪いことが起きても、違法な活動もGDPに含まれ、GDPが増加するとされています 。

 例えば,戦争は人々の生命と財産を脅かす破壊的な現象ですが、軍事産業は大量の労働力と資源を必要として、結果的にGDPを増加させます。
 

犯罪が増えれば、セキュリティサービスの需要が増え、これらのサービスを提供するための経済活動が増加します。疫病の流行では、昨今の新型コロナウイルス感染症の流行が代表的です。


参考:村上由美子,& 高橋しのぶ(2020).『GDP を超えて-幸福度を測る OECD の取り組み. サービソロジー』, 6(4), 8-15.,

https://www.oecd.org/tokyo/publicationsdocuments/Beyond_GDP_Servicology2020.pdf,P.1https://www.oecd.org/tokyo/publicationsdocuments/Beyond_GDP_Servicology2020.pdf,P.2



 GDPは、先ほどの例以外にも様々な課題が指摘されています。


 このようなGDPに対する問題意識から、GDPのみではなく、幸福度など、経済指標以外の新たな指標を開発する動きが国際機関を中心に活発化しています。
 

 例えば、OECDによる、「Better Life Index(より良い暮らし指標)」というものがあります。

 Better Life Indexは、住宅、所得と富、雇用と仕事の質、社会とのつながり、知識と技能、環境の質、市民参画、健康状態、主観的幸福、安全、仕事と生活のバランスという11の項目により構成されています。
 

お役立ち道と経済指標

出典:OECD, HOW’S LIFE? 2020,https://www.oecd.org/statistics/Better-Life-Initiative-country-note-Japan-in-Japanese.pdf

 

 

 
 また、経済同友会は2016年、OECDのBetter Life Index等を参考にして、「GNIプラス」を提唱しました。
 経済的な要素だけでなく、社会的な要素も考慮に入れています。表では経済分野と非経済分野に分かれており、社会の持続性、安全性などが盛り込まれています。

お役立ち道と経済指標

出典:「豊かさの増進に向けた経済統計改革と企業行動~新たな指標群「GNI プラス」の提案~」
公益社団法人 経済同友会, https://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2016/pdf/160928a.pdf,2016 年9月 28 日

 

  
 先のG7( 2023年5月11~13、新潟市) での財務大臣・中央銀行総裁会議でもGDPへの言及がありました。
 日本は、「GDPだけでなく幅広い指標などをより効果的に活用する方法を探そう」という提案をしました。
 そして、ジョセフ・E・スティグリッツ氏(ノーベル経済学賞受賞者、米コロンビア大学教授、)が招聘され、「ウェルフェア* を追求する経済政策」についての対話が行われました。
 この中でも、GDPを一指標として含みつつ、ウェルフェア、豊かさを多元的に捉える指標を用いる必要性に言及しています。

*福祉。個人、社会の幸福や生活の質を向上させるために行われる政策や取り組み

出典:財務省,「 G7 財務大臣・中央銀行総裁声明(仮訳) 」,https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/convention/g7/




 このような指標に今すぐ変わることはないかもしれませんし、指標を変える事に直接かかわることはできないかもしれません。
 

 しかし、世界の目線は、経済活動も含めた、広い意味での豊かな社会に目が向けられています。
 

 そんな世界を創るために、私たちができる事をしていきましょう。みんなで「お役立ち道」を歩み、「お役立ちに満ちたより良い未来」を創っていきましょう。
 
GDPをはじめとする経済指標。「お役立ちに満ちたより良い未来」の視点でみると見方がかわるかも。ですね。

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