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お役立ち道とCSV


近年、注目されている経営戦略のひとつのCSVと「お役立ち道」 そこには、共通点がありそうですね。




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 近年は、世界中の企業が社会課題解決への取り組みや社会的責任を果たす活動が求められています。また、社会においてそのような価値を持続的に提供できる企業かどうかが見られている時代です。


 その中で、約10年前から注目されるようになった経営戦略のひとつに、CSV(Creating Shared Value)があります。今回は、CSV、日本版CSVを紹介し、お役立ち道との共通点をご紹介します。



 CSVとは、Creating Shared Valueの頭文字です。

そもそも、CSVはマイケル・ポーターとマーク・クレーマーによって提唱されたものです。

 直訳すると「共通価値(又は共有価値)の創造」。「共通価値」というのは、「社会と企業の共通の価値」。

 つまり、CSVは「社会にとっての価値」と「企業にとっての価値」の共通部分に新たな収益源とイノベーションの源泉を見出した「戦略」のことです。


「社会価値」と「経済価値」の同時実現を目指しているということです。

出典:Porter,M.E and Kramer,M.R.(2011). "Creating Shared Value: How to Reinvent Capitalism and Unleash a Wave of  Innovation and Growth,"Harvard Business Review.VoL.89 . No.1-2. pp.62-77.(「共通価値の戦略—経済的価値と社会的価値を同時実現する—」『ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー」 (2011年6月号)、 ダイヤモンド社 、 8-31頁。)


 
 こちらの表は、その違いが端的にまとめられています。



お役立ち道とCSV


表出典:名和高志,「#監修者インタビュー あなたの志は、何ですか。あなた「ならでは」が、世界を変える。」 Rashii .パーパスでつながる。
, https://www.rashii-branding.com/j-naradewa/interview/20180901_nawa1.html, 2018.9.1


「経済価値は必要だがあくまで社会の役に立つという目的のための手段。ポーター教授が提唱するCSVとは目的と手段が逆になっています。「志は何か」を問われるのが日本ならではの『J-CSV』の特徴。」

 さらに、ここではJ-CSVと表現されていますが、その戦略の考えを日本的に経営の観点でまとめられたのが、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授の名和先生の提唱する考え方です。


お役立ち道とCSV


表出典:名和高志,「#監修者インタビュー あなたの志は、何ですか。
あなた「ならでは」が、世界を変える。」 Rashii .パーパスでつながる。
 https://www.rashii-branding.com/j-naradewa/interview/20180901_nawa1.html, 2018.9.1 表の一部を掲載


 

 このように、お役立ち道とJ-CSVには、大きな共通点があります。それを見ていきましょう。

1つ目
社会価値の実現が目的である。つまり、「社会の役に立つため」を目的としている点です。

2つ目 

J-CSVでは、「志は何か」を問われるのが日本ならではの『J-CSV』の特徴としている。この点もお役立ち道経営に共通します。

 名和先生によると「志」の意味は、「他者にとって価値のあることをしたいという信念」としている。これはまさに「お役立ち」といえるので、お役立ち道経営に共通します。

3つ目

J‐CSVが、「道」に言及している点です。

CSVで言う、社会価値を「武士道」、経済価値を「商人道」と表現されています。
 

 更に、『「道」は価値基準であり、思想でもあるが、これを極めると「作法」に体現される。つまり、毎日の仕事や生活の中に「道」が落とし込まれ、いちいち意識しなくても作法に則った判断や行動がなされる。』 

出典:名和高志(2015)『CSV経営戦略』東洋済新聞新報社,P.308


と表現されています。お役立ち道を歩む人を思わせますね。

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