「ビジョン思考」と「お役立ち道」~自分モードで仕事をしていますか?
仕事は「会社のためにしてやっている」のではなく「自分のためにやっている」のだ。
突然ですが、この問いについて、イエスでしょうか。それともノーでしょうか?
「イエス」と答えたあなた・・・「ビジョン思考」で仕事をしているかも。
佐宗邦威(さそうくにたけ)さんが2019年に出版された『直感と論理をつなぐ思考法』で提案している「ビジョン思考」とお役立ち道について考えていきます。
突然ですが、この問いについて、イエスでしょうか。それともノーでしょうか?
仕事は「会社のためにしてやっている」のではなく「自分のためにやっている」のだ。
もし、ノーと答えた人、つまり、「仕事は会社のためにしてやっているのだ」と考えている方は、仕事を「他人モード」でやっていて、疲れていないか心配です。
なぜなら、「他人モード」とは、自分の「好き」や「関心」を放置している、周囲の短期的な成果や期待に応えるために駆けずり回り、疲弊しているという状態だからです。
その動機の主体は、「外発的動機」、つまり、外部からの刺激に基づいて行動する動機づけです。
これに対して「自分モード」とは、自分の「好き」や「関心」を大切にする、自分の価値観や目標に向けて努力し、その行為自体に幸福を感じられるという状態です。
その動機の主体は、「内発的動機」、つまり、内部からの興味や満足感に基づく動機づけです。
もし、先ほどの質問にイエスと答えた人、つまり、「仕事は自分のためにやっている」と考えている方は、仕事を「自分モード」でやっていてよく幸福を感じられている人かもしれません。
「他人モード」のまま動き続けると・・・
『他人が抱える問題の解決ばかりに夢中になっていると、「誰の役にも立たないけれど、自分にとって大切なこと」が視界から消えていく。人の役に立つのがうれしいと思って続けていると、いつのまにか「自分がなくなっている」ことに気づく(佐宗,2019,p.53)。』
佐宗邦威(2019)「直感と論理をつなぐ思考法」ダイヤモンド社,p.53
上記のように、『他人が抱える問題の解決ばかりに夢中になっていると、「誰の役にも立たないけれど、自分にとって大切なこと」が視界から消えていく。人の役に立つのがうれしいと思って続けていると、いつのまにか「自分がなくなっている」ことに気づく。』という状態になるかもしれません。
ビジョン思考とは
そこで、「自分モード」で仕事をする思考が「ビジョン思考」です。
ビジョン思考とは、「個人的な関心からスタートして創造性をドライブさせる思考法」と言われています。
「個人的な関心からスタートして創造性をドライブさせる思考法(佐宗邦威,2019,p.58)」
佐宗邦威(2019)「直感と論理をつなぐ思考法」ダイヤモンド社.P.58
その「自分モード」で仕事をする「ビジョン思考」と、「他人モード」で仕事をするほかの思考を、二軸のマトリックスで表したのがこの「4つの思考サイクル」です。詳しい内容は書籍をご覧ください。ここでは大まかな解説をします。
縦軸がクリエイティビティで「感性優位」か「知性優位」かを示しています。
横軸は動機の違いです。右上の「デザイン思考」と「右下」のカイゼン思考を突き動かす動機は外的な問題・課題(イシュー)です。「左下」の「戦略思考」は、市場で勝利することです。この3つは「他人モード」の思考回路です。
そして、「自分モード」の思考回路が「左上」の「ビジョン思考」です。この思考を突き動かす動機は、「社会的・経済的成功だけではない、より根源的な願望」です。
例えば、深い人間関係や共感を築く人間関係やつながり、自分自身の学びの過程で得る喜びや満足感などもあるでしょう。「人を感動させたい!」や、「この世界にある飢餓を無くしたい」という願いが駆動力になっている人もあるでしょう。
これらが「個人的な関心」=「妄想」からスタートしていることが重要だということです。つまり、「自分の持つ欲望や好きなこと、ワクワクすることに向き合うことからスタートする」ということです。
「お役立ち道」を歩むファーストステップ
この「妄想」からスタートするという考え方は「お役立ち道」と同じです。「お役立ち道」とは、「お役立ちの精神と技量を究め続けること」です。
そのファーストステップは、「お役立ちの源泉を見つける」ことからスタートします。具体的には、これまでの自分の体験で、何に夢中になったかを沢山洗い出す、夢中になった理由の共通項を探る。ということからはじめます。
こちらのページをぜひご覧ください♪
佐宗氏によると、「内発的な関心」にフォーカスし、どこまでもオリジナルなビジョンを突き詰めたとしても、その思考は往々にして「社会的な問題解決」のような大きな流れへと接続していくということです。
「内発的な関心」にフォーカスし、どこまでもオリジナルなビジョンを突き詰めたとしても、その思考は往々にして「社会的な問題解決」のような大きな流れへと接続していくのである(佐宗,2019,p.259)。
そのうえで、「妄想」をこのように真善美の3つの観点から振り返り「さらに大きな妄想」を育てることを提案しています。
ジェックのお役立ち道でも、「妄想」からスタートしてそこをさらに掘り下げていくことで、「社会的な問題解決」への流れへと接続されていきます。
お役立ち道を歩む=「自分モード」で仕事を楽しむ
このようにお役立ち道を歩むことで、自分が成長すれば、「妄想」もより成長しそうですね。
お役立ち道を歩み、「自分モード」で仕事を楽しみましょう。
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